足場の幅木の高さ

足場の幅木の高さは法令上、10㎝以上と15㎝以上のいずれが正しいのですか

幅木
● くさび式足場による手すり、中さん、幅木の設置例
幅木の施工現場
● ビケ部材の幅木(BLガード)を設置した施工現場
幅木の施工現場
● 幅木施工現場(外観)
 2009(平成21)年に労働安全衛生規則の足場関係の規定が改正され、足場からの墜落防止措置や物体の落下防止措置の充実として幅木の設置が盛り込まれました。
 足場からの人の墜落防止措置としては、交さ筋かいを用いたわく組足場は、交さ筋かいに加えて(さん)(高さ15~40㎝の位置)または幅木(高さ15㎝以上)が義務付けられました。一方、物体の足場からの落下防止としては、幅木(10㎝以上)、メッシュシートまたは防網等の措置が明文化されました(安衛則563条)。
 このように、人の墜落防止措置としての幅木には15㎝以上という要件があり、かつ交さ筋かいを用いたわく組足場に適用されます。それに対し、10㎝以上の幅木は、物体の落下防止措置として位置づけられ、わく組足場以外の足場にも設置が義務付けられています。なお、落下防止としての幅木は、メッシュシートや防網その他の措置で代替することが可能です。また、墜落防止措置として設置した15㎝以上の高さの幅木が、落下防止措置も兼ね備えることは言うまでもありません。
 なお、改正法施行後、厚生労働省は、足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱を公表し、「より安全な措置」として、わく組足場は下さんの代わりに幅木を設置すること、わく組足場以外の足場でも幅木を設置することが望ましいとしています(足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱/平24基安発0209-2、改定平27基安発0520-1)。この場合の幅木は、わく組み足場は15㎝以上で、できる限り高く設置することとしていますが、わく組足場以外の足場に推奨する幅木では高さに言及していません。
 ところで、一般社団法人仮設工業会は、2015(平成27)年に改訂した「くさび緊結式足場の組立ておよび使用に関する技術基準」の解説の中で、人の墜落防止措置としての幅木の役割に言及し、「幅木は、落下物防護のための部材でもあるが、足場上での各種作業は移動しながら行うことも多く、足元を見ないで移動する際に作業床から足が外れることを防止したり、滑ったりつまづいた時に瞬間的に足が作業床の外に出てしまうことを防止する、墜落防止等の役目を果たすことができる」ので、手すりや中さんに加えて「幅木を設置することが望ましい」とし、「この場合の幅木は高さ15㎝以上であると良い」としています。また、幅木の認定基準では、従来10㎝以上としていた認定の要件を15㎝以上の高さに改めています。
 この認定基準では、直線状の形をしたI型の幅木(第1種幅木)と作業床に乗せる水平部を有するL型の幅木(第2種幅木)の2種類があります。L型の第2種幅木は、水平面が床材の機能を有しています。このため、2015(平成27)年の労働安全衛生規則改正で、床材と建地のすき間を12㎝未満とする条項が追加されたときに、第2種幅木の水平面を床材とみなすという厚生労働省の見解が示されています。(文・松田)

【参考】
労働安全衛生規則 第563条(作業床)
 事業者は、足場(一側足場を除く。第三号において同じ。)における高さ二メートル以上の作業場所には、次に定めるところにより、作業床を設けなければならない。
(一・二 略)
三 墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、次に掲げる足場の種類に応じて、それぞれ次に掲げる設備(丈夫な構造の設備であって、たわみが生ずるおそれがなく、かつ、著しい損傷、変形又は腐食がないものに限る。以下「足場用墜落防止設備」という。)を設けること。
イ わく組足場(妻面に係る部分を除く。ロにおいて同じ。) 次のいずれかの設備
(1) 交さ筋かい及び高さ15㎝以上40㎝以下の桟若しくは高さ15㎝以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備
(2) 手すりわく
ロ わく組足場以外の足場 手すり等及び中桟等
(四・五 略)
六 作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ十センチメートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備(以下「幅木等」という。)を設けること。 ただし、第三号の規定に基づき設けた設備が幅木等と同等以上の機能を有する場合又は作業の性質上幅木等を設けることが著しく困難な場合若しくは作業の必要上臨時に幅木等を取り外す場合において、立入区域を設定したときは、この限りでない。

足場の摩訶不思議のページトップに戻る